モウソウチクの近景
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モウソウチクの近景
裏山を覆い尽くすモウソウチク(2)
裏山を覆い尽くす
モウソウチク(2)
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林地を覆い尽くすモウソウチク

 モウソウチクは、中国江南地方原産で1746年の薩摩藩による導入以降、全国的に広がったとされる古い外来植物です(Wikipedia)。しかし、近年、モウソウチクが林地や丘陵を覆い尽くしている光景にしばしば出会う。また、スギやヒノキの人工林へモウソウチクが入り込み、樹木の生育に影響を与えています。逆に、国産材の価格低迷で、人工林の管理がおろそかになっていることも、モウソウチクの異常繁殖に関係していると考えられます。

 モウソウチクは、食用の竹の子、農業等で使用する籠等や、日常品として使用する物干し竿、スダレなどの原材料として用いられてきましたが、最近はそのような地場産業がすっかり衰退し、竹が伐採されなくなったこともモウソウチクの異常繁殖の大きな要因と考えられます。

 竹はプラスチックと違い、廃棄されても土に戻ること、持続的再生が可能なこと、自然の材質感があること、使用することによって環境保全に繋がることなど評価される面があります。一方、中国、ベトナムなどから廉価な竹製品が輸入されていることから、製品が競合する場合にはコスト的に引き合いません。しかし、現在も、国産の竹製品が作られ販売されています。これらには、外国では作られていないもの、高品質なもの、新しい製品などの工夫があります。

 竹を日本の風土に根ざした生物資源、一方では、異常繁殖により問題となっている資源として、これを上手く利用していく道を作りたいものです。竹や樹木の利用が軌道に乗ることによって、竹林管理の経費を出すことが出来るようになります。

竹を利用した製品例

装飾品:駒寄せ(犬矢居来)、ししおどし、かけひ、化粧屋根、縁台、つつみいす、竹垣、藤棚、茶道具、花かご、竹細工
民具:扇子・うちわ、提灯、しゃもじ、皿、筆立て、すだれ、物干し竿、海老籠、竹布
住宅:
フローリング材
竹炭:
風呂用、天井・床下用の調湿・防虫・脱臭竹炭マット、炊飯・飲料用、装飾用土壌改良剤として利用
竹酢液:
糞などの消臭

その他、食材としての竹の子の利用

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裏山を覆い尽くす
モウソウチク(1)
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裏山を覆い尽くすモウソウチク(1)

  モウソウチクの異常繁殖